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推薦の言葉

今、何かを始めようとしている人がいます。でも一人では思いは実現しません。どこからどうしていいか分からない時に、この「動機のデザイン」は一人ひとりの内在するスキルを引き出して、関わる人たちの役割と目標を与えてくれるでしょう。デザイン思考の重要な役割であるプロジェクトマネージメントのノウハウと実施事例がこの本に込められています。

株式会社ハーズ実験デザイン研究所 代表取締役
村田智明

推薦の言葉

小さな現場からすくい上げられた数々のエピソードには、まるで海水から手間暇をかけて塩をつくりだしていくかのような、豊穣なデザインの実践知が結晶化されている。とびっきりの観察眼とユーモアをもって場を元気にする由井さんの背中は、ちょうどいいバランスを調整する「整体師」のようでもあり、ともにお笑いをつくりだしていく「相方」のようでもある。
真に優れたデザイナーは、成果物を処方するのではなく、ともにデザインすることを介して当事者を内側から力づけていく。本書で信念を持って語られる言葉は、どんな小さな現場でも創造を楽しめる可能性に満ちていることに気づかせてくれる。

デザイン研究者 / 専修大学 教授
上平崇仁

推薦の言葉

これからの社会では、解決すべき課題に対してデザイナーが圧倒的に不足していると言われている。こういった時代において求められるのは、「ふつうの人々がデザインすること」=「Design by People」の態度であり、それが実現する社会がソーシャルイノベーションの時代である。そしてそこで求められるのは、スキルを超えた「動機のデザイン」であろう。日本でのソーシャルイノベーション推進のための貴重な一冊。

武蔵野美術大学 教授 / 株式会社コンセント代表
長谷川敦士

2022月6月15日発売
272ページ(本文モノクロ、一部カラー) A5 並製

定価¥2,400+税
ISBN978-4-8025-1232-9

Concept

動機のデザイン

現場の人とデザイナーがいっしょに歩む共創のプロセス

現場の当事者が主体者に変わるためのプロセスモデルを全解説

変化の激しい時代において「デザイン」は、専門家だけで進めるものではなくなってきています。著者は、長年にわたりデザイナーとして参画した地場産業や地域振興など「小さな現場」の仕事で、より本質的で力強い成果につなげようと模索する中から、このことを実感してきました。

「小さな現場」でデザインが求められるのは、変化が求められるときです。それには従来の、専門家による「カタチのデザイン」と、カタチの軸となる「価値のデザイン」だけでは不十分だと著者は考えました。個人事業主や地域コミュニティのメンバーなど、すべての現場の担い手がデザインを専門家任せにせず、共に参加し「自分ごと」にできれば、状況は大きく変わるのではないでしょうか。現場の当事者がデザインの「主体者」となることでデザインが活き、現場が活き、その総体として企業や地域に持続的な活気が生まれます。

本書は、すべての「小さな現場」に向けて、当事者の内にある「動機」を引き出す「動機のデザイン」について、ステップごとに詳しく紹介し、それぞれの現場で活かしてもらうことを目指します。

各章 Contents

巻頭写真

本書でご紹介する「小さな現場」はこんな感じです。

はじめに

※ページの画像をクリックすると拡大してご覧いただけます

本書のねらいと特徴を「はじめに」の4ページに凝縮しています。

第1章

  • なぜ「動機のデザイン」なのか

    小さな現場での仕事から
  • 「専門家としてのデザイナー」の功罪
  • デザインの現場は、共創の中にある
  • 人の動き方が変わると、状況が変わる

エピソード01|観光・まちづくりの取り組み

第2章

  • 3つめのデザイン「動機」 ーカタチと価値を支えるデザイン

    デザイン全体の見取リ図 ーデザインの本当の力を活用してもらうために
  • デザインという取リ組みの全体像 ー3つのデザイン
    [1]カタチのデザイン
    [2]価値のデザイン
    [3]動機のデザイン
  • 「動機のデザイン」とは?

エピソード02|地域密着型書店の魅力づくり

第3章

  • 5ステップで進める動機のデザイン ー実践のポイント

    プロセスから見る動機のデザイン
  • ステップ❶ 内外を観察する
  • ステップ❷ 現状を共有し、課題を設定する
  • ステップ❸ 仮説を立てる
  • ステップ❹ 自作して試してみる
  • ステップ❺ 結果を点検し、次へつなげる
  • 1周を完走した当事者が、「主体者」となって次のサイクルへ踏み出す

実践のポイント集

各ステップごとに、実践時の「動機のデザイン」の29の勘所を、写真やイラストとともに1ページの読み切りサイズで紹介。

実践事例|老舗和菓子店の取り組み

動機のデザインを、ひととおり実際に体験して

取り組みの全行程での実際の動きを❶から❺のステップに分け、「動機のデザイン」のポイントと照らしながらチャートで紹介。

第4章

動機のデザインのリアリティ ー動き続ける現場から

  • 実際はささやかなことの積み重ね
  • 現実の仕事の中で進める難しさ
  • 実践の場でのデザイナーの役割
  • 進めていく中で気にかけていること
  • そして変化を起こせるように

第5章

「動機のデザイン」の先にあるもの ーデザインプロセスに表れる志向性

  • 「動機のデザイン」のわかりづらさ
  • 「動機のデザイン」を言葉にして
  • 「動機のデザイン」は工学ではない
  • 専門デザイナーと「実質デザイナー」
  • 当事者の動きを誘発するデザイン
  • 主体者が増えれば、クリエイティブ総量が増える
  • 動機のデザインと学びの場